ニホンミツバチのハチミツを採取する際の注意点です。
最近、日本各地を歩き回って人様の日本蜜蜂巣箱を覗かせていただく機会がおおくなったのですが、各地でとても気になる事がありました。
日本各地、多くの場所で日本蜜蜂のハチミツを『垂れ蜜』にて分離してハチミツにされてるのですが、
その垂れ蜜にする際に
「高温下において垂れ蜜されてる方が多い」のに驚きました。
ハチミツですので、常温だと粘度が高く垂れるのに時間がかかってしまいます。
高温にすることによってハチミツが簡単にタラタラと気持ち良く垂れてくれて作業もはかどり、巣クズに残ってしまう蜜の量も減るように感じるので、高温下に置きたい気持ちはよくわかります。
しかし、
高温下に置いたり、加熱したり、ヒドい場合は直射日光にあててたりする事によって、
日本蜜蜂のハチミツは実に多くの有効成分を失ってしまうのです。
ハチミツの主成分は糖です。
ブドウ糖、果糖、ショ糖の3大成分でハチミツの7割を占めます。
そして水分が2割。
残りの1割に様々な大切なモノが含まれています。
各種ビタミン類、ミネラル類などがそうです。
更には希少糖と呼ばれる貴重な成分もあります。(糖には実に様々な種類が存在しています)
ビタミンやミネラル類が加熱によって壊れやすいモノが多い事は皆さん御存知の事と思います。
これらが加熱により破壊された後のハチミツは、極端な言い方をすると「ただの糖の塊」となり、
体に良いと思って食べるハチミツなのに、それが「ただの糖の塊」でしかなければ体によいかどうか疑問なモノとなってしまうのです。
本来、ハチミツは蜜蜂たちの巣の中にあり貯蔵されてます。
巣の中の温度は、女王蜂や卵、幼虫、蛹を守る為に40度以下に保たれてます。
つまり、ハチミツにとって良い温度は40度以下と考えられるのです。
ハチミツの中に含まれている貴重で体に大切な成分を活かすため、
ハチミツを採取する時は
「直射日光にあてない」
「温度は40度以下とする」
上記に留意すると良いと思います。
更に、冬季に硬くなったハチミツを柔らかくする為に瓶ごと加熱され利用しやすくする方がおられますが、
その時も加熱は40度までにしておくとよいです。
品質の良いハチミツは本来冬季は硬くなり、結晶化します。(ブドウ糖や果糖は結晶化しにくいのですが、ショ糖などは容易に結晶化します)
果糖ブドウ糖液糖などの複雑な構造の糖を混ぜるとハチミツは結晶化しにくくなり、見た目もいいですが、
果糖ブドウ糖液糖は近年は人間の健康に良くない影響を与える疑いがあり、先進国の多くで使用の規制がされているようです。
皆さんの大切な健康の為には、
混ぜものの入れてないハチミツを加熱されてないやり方で採取されたものを購入される事をオススメします。
そして、その大切なハチミツを料理などで加熱して食べるやり方でなく、
是非そのまま食べるやり方で
ハチミツの健康効果を充分に堪能する事を強くオススメいたします。