日本蜜蜂の働き蜂が男性にとまる訳
トップ画像は、4~6年位以前のもうかなり寒い11月末頃の撮影だったと思います。
ニホンミツバチ働き蜂は人間の体にとまるのを基本的には嫌がりますが、寒い時は暖かい手に乗りやすいですね。
夏場などにとまってくる時は、人間の皮膚の汗のミネラルをなめる目的だったりします。
そして、別の理由もあります。
巣箱にてニホンミツバチ達が対処しきれない『何か』が発生した時、
助けを求めにリーダー働き蜂が人間の男性にとまります。
江戸時代の書物にも同様の記述があり、昔からニホンミツバチは日本人と良い関係を築いていたようです。
この時、大抵は腕にとまり、ジッと人間の顔の方を見てます。
人間側が気付かないと、ニホンミツバチはカリッと顎で肌を噛み気付いてもらおうとしますが、このカリッは何気にそこそこ痛いです。
どこの巣箱で何が起きているのか自己申告がニホンミツバチには出来ませんが、
どこかの巣、もしくは巣箱にて何かが発生中なので緊急に巣箱の見まわりに出発する事推奨です。
トップ画像の時は、実はニホンミツバチのリーダー働き蜂が腕にとまったのは別の理由でした。
その理由は、
毎年12月頭頃に巣箱にゴザを巻き冬支度するのですが、
庭に設置していたこの初期の巣箱はもう3~4年同じ場所で栄えてくれていたので、巣箱の重さで土台がやや傾いて来ていました。
ゴザ巻きの作業のついでに巣箱を横にどかし、クワでガリガリと地面を水平にならす作業をしてましたら、
寒いのに何匹かの働き蜂達が怒って顔のまわりにまとわりついて来ました。
ニホンミツバチ達は巣箱の近くでホウキをザッザッと掃いたり、クワで地面をガリガリされるのがとても嫌いで、
なれていてもホウキを使うと怒ってホウキに体当たりしてきたりもします。
その日は作業が詰まっていて急いでいて、更に手がかじかむ程寒いのに何匹ものニホンミツバチ働き蜂達に邪魔され顔を歩きまわられて、初めてニホンミツバチ達に怒ってしまいました。
『あんた達の為に寒い中作業してるんでしょうがね!なんでそんなに邪魔すんだよ!』
それまでは飼育し初めてから何年間も、何をされてもニホンミツバチ達を良い子良い子して親バカのように可愛がり飼育してましたので、
初めて怒った飼い主にニホンミツバチ達も驚いたようでした。
それまでブンブン飛び回ってたニホンミツバチ働き蜂は一斉に巣箱に戻り、
しばらくしてからリーダー働きが一匹だけ出て来て私の右腕にとまりました。
トップ画像はその時の撮影です。
仲直りを表明しに出て来たようですね。
おっちゃんはもう怒ってないよと言って指を出すと大人しく指に乗ったので、そのまま巣箱出入り口にもってってあげました。
ニホンミツバチ達も数千年以上の日本人との付き合いの歴史があり、
自分達が今住んでるのは人間が作って提供してくれてる巣箱なんだという事を理解してます。
人間が本気で怒ってしまえば、
簡単に巣箱は壊され廃棄され殺されてしまうという現実を、
長い歴史の経験則から恐怖したのでしょうか
春や夏の暖かい時期ならば、
逃去という選択肢がありますが、初冬のタイミングでは逃去は自殺行為です。
人間との共存の為に人間との関係の修復を試みるというニホンミツバチの高い知性には、後になって考えれば考える程驚きを禁じ得ませんね。
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