ニホンミツバチの賢さと停止しての尻振りダンス
ニホンミツバチは賢く人間をよく観察しているようで、
単眼の集合体である「複眼」という焦点合わせ機能の無い目で見てるにもかかわらず、
人間の「個体識別」をしてるようです。
いつも巣箱の世話をしてる人間と、初見参の人間とは全く違う対応をみせたりもします。
江戸時代や明治時代の文書資料にもニホンミツバチが人間を識別している様子の記述があり
『巣箱にてニホンミツバチ達だけでは対処困難な緊急事態が発生した時に働き蜂が人間に緊急事態を知らせ助けを求める時、必ず男性に助けを求め女性には行かない』←原文を意訳してます
もちろん複眼からの情報だけでなく臭覚センサーが犬よりも高感度(!)なニホンミツバチなので、
匂いによる判別もして識別してると思います。
が、センサー情報から区別や判別が出来ても、
その情報を判断し、考え、行動に移すには高い知能が必要となります。
「判断し、考え、行動に移す」というプロセスは、
沢山の同僚や仲間と共に協力して生活する「社会性昆虫」であるニホンミツバチにおいては発達するのは必然で、
その「プロセス」の繰り返し(沢山の仲間と協力したり御世話したり御世話してもらったり)は感情表現を洗練させ豊かにさせ、
その結果
「個性」を産み出します。
「個性」と表現するのが適切かどうかわかりませんが、
同じニホンミツバチという種であっても巣箱によって(群によって)性格が顕著に違う事があります。
大人しく従順で友好的な巣箱もあれば、短気でちょっとした事で感情のオーラの色がかわる巣箱もあります。
臆病でわずかな事にビクビクする巣箱もあれば、動じないタイプの巣箱もあります。
更に言うとなんとなくウマの合う巣箱もあったりします。
ニホンミツバチは本当に面白いですね。
そして、上記に誤解ないよう記さないといけないのは、同じ巣箱のニホンミツバチ働き蜂でも、働き蜂一匹一匹で性格が違うのは当然です。
よく観察してるとそれぞれ性格があり堅実、慎重、冷静、うっかり、お調子者など様々です。
社会性昆虫として役割分担で担当してる職務によって、その行動がそう見えるのかもですね。
トップ画像は外勤働き蜂が巣箱に帰宅した時、自分の体に寄生虫やカビダニなど巣の中に持ち込んではいけないモノが付いていると自覚してた時、
巣箱の中には入らず、出入り口の外で激しく尻振りダンスを行い内勤働き蜂を呼び出し、
その全身をくまなく顎と舌で掃除してもらっている様子です。
ニホンミツバチの尻振りダンスは、蜜源のある方向と距離を仲間に伝えるコミュニケーション手段として有名ですが、
方向と距離を伝える為に必ず移動や旋回しながらの尻振りダンスとなります。
停止しての尻振りダンスで仲間を呼び出すコミュニケーション手段としても使用されているんですね。
やっぱりニホンミツバチは賢いですね。
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