ニホンミツバチ保護飼育 佐々木 伸一

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2021.03.25 ニホンミツバチ 023番

2021.03.25 ニホンミツバチ 023番

日本蜜蜂(ニホンミツバチ)は分類としては「東洋蜜蜂(トウヨウミツバチ)」の亜種となります。
トウヨウミツバチは非常に生息域が広く、インド亜大陸から東南アジア各地、そして極東まで、1つの種類として(亜種を含む)はとても広い場所で様々な環境に適応する事のできた、とても興味深い昆虫ですね。
東南アジアという事は赤道直下も生息域に含まれるという事と思われ、同じ種類の蜜蜂が青森県の厳しい冬の環境下でも生き抜いている事を思うと、単純に「どうやって?なぜ?」と思ってしまいます。
同様の事はアフリカ大陸の広域(詳細不明←不勉強で申し訳無いです)、から中東、ヨーロッパまでの広大な範囲を野生群の生息域とする西洋蜜蜂(セイヨウミツバチ)にも言えると思います。

この、地球の陸地面積の数十パーセントにも及ぶ生息域の広さを持つ「完成され、自然環境に深く組み込まれ必要とされる存在」となり得たその理由は、その2種の共通点から探ると面白そうです。

東洋蜜蜂(日本蜜蜂含む)と西洋蜜蜂の生態と、それ以外の蜜蜂(オオミツバチ、コミツバチ、クロオビミツバチなどなど)を比較してまず目に付くのは巣です。

多くの蜜蜂の種は六角形の穴の沢山あいた巣房(巣盤)を1枚のみしか作らないものが多いようです。

テレビで何年か前に放送され、その後バラエティー番組なんかでも現地に行ってた「ヒマラヤオオミツバチ」の崖にある巣は1枚1枚の巣がとても大きくて興味深かったですね。

これらの巣房(巣盤)に働き蜂達が密集して温度調整でき、体毛も高機能の筋肉も無くて温度変化に弱い幼虫やサナギを保護するのは、各種蜜蜂達におそらくは共通していると思います。

この「温度変化に弱い幼虫やサナギを保護する」システムにおいて、東洋蜜蜂(ニホンミツバチ含む)と西洋蜜蜂は一線を画するアイデアを実現させてます。

それは


巣房(巣盤)を複数、並列に密集して造築する事です。

これにより、巣房(巣盤)と巣房の間は温度調整が格段に容易となり、
更に狭い範囲において貯蜜、育児スペースの高密度化という恩恵を享受する事が可能となりました。

季節や地域、はては昼夜によって温度気象変化の激しい自然界において、
造営自在(主材は自分達働き蜂の分泌する蝋)で出入り容易な温度管理スペースの発明運用は、他の同種の蜜蜂達よりも柔軟に様々な環境に適応出来、

結果繁栄を極めて地球規模の広大な生息域を獲得していった偉大な昆虫なのではないでしょうか。

もちろん、巣房を並列造営するシステムの構築のみが理由で広大な生息域を獲得したわけではなく、それは理由の大きな柱の一本です。
自然界にとってとても有用なニホンミツバチ。

本当に興味深いですね

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