前回の続きです。
哺乳類や鳥類などには、音声の言語(又は有意信号)を情報伝達手段として使う事で、
複雑高度な情報や知識、経験の伝達ができる種がいます。(更に人間は発声言語に加えて文字とその文字言語体系にて更に高度な情報伝達手段(記述、記録、読取り)を発達させてます)
強力な呼吸器官や「発声の為の喉」を持たない昆虫であるニホンミツバチは発声言語による言語の表現が出来そうにありません。
しかし必要とされる複雑な仕事の内容の実施には、
実に様々な事前情報(知識)や経験(「巣の周りの自然環境」と「危険の位置や度合い」は巣によって違うし、季節や時間経過によって刻々変化する)の伝達無しには、
効率的な実施が困難なのは一目瞭然だと思います。
となると、かなり高度な効率の良い情報伝達手段が使われている状況証拠なのではないでしょうか。
音声は、一般の言語のように複雑な内容を伝えるものでないにせよ、ミツバチはコミュニケーション手段の1つとして羽音や体の振動などを使っています。
羽音はその強弱で震える空気を触覚などの感覚器で感知して意味のあるものとして使用してるようです。
緊急を知らせる警報としての使用や、ミツバチの尻振りダンスの時に振動の強弱や継続時間が伝達手段として使われてるのです。
ただ、音の強弱や継続時間のみでは、複雑な言語の代用としては限界があるとも思えます。
ただ、相当繊細な感覚器で空気振動の強弱や長さで言語としての構築が不可能では無いとも考えられそうではあります。(ニホンミツバチ達は本当に賢い生き物ですから)
空気振動の音色の複雑なパターンの豊富さは一考の価値があるかも知れません。
でも、そこまで複雑高度化した繊細な空気振動言語だと、それを聞き取る側の発達も不可欠で、
体毛や触角のような感覚器だけでは、複雑繊細な空気振動の音色の情報の充分な受け取りは困難なのではないでしょうか。
もし出来ているなら、ウサギや一部の蛾の触角のように、聴覚の特異な目に見える程の発達となっているのではないてしょうか。
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