ニホンミツバチ保護飼育 佐々木 伸一

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2021.01.25 ニホンミツバチ 017番

2021.01.25 ニホンミツバチ 017番

ハチミツとボツリヌス菌についてです。
ボツリヌス菌は世界中、もちろん日本国内の土の中や湖底の泥の中などに普遍的に存在する菌です。
大変強い毒素を生成する菌で有名なのですが、普通に生活していてボツリヌス菌が食物といっしょに口の中に入って食べられてもボツリヌス菌の毒素で被害を受ける事はありません。
新鮮な泥付き野菜が販売されてたり、キャンプ等で泥やホコリが多少混入した食事をしたりしても、泥の中のボツリヌス菌の毒素での被害を聞いた事がありません。
ハチミツの場合、外勤働き蜂達が土壌に密接する草花から蜜や花粉を集めたり、水分補給に水辺に降りるのでボツリヌス菌が働き蜂に付着しハチミツに内在してしまう可能性があります。
しかし、幼児も含め人間の大人はハチミツを食べてもボツリヌス菌の毒素による被害はありません。
それは、ボツリヌス菌が野菜やハチミツなどの食材と共に食べられても人間の消化器官がちゃんと機能していれば大丈夫だからです。

人間の消化器官には、
 口…唾液による殺菌作用
 胃…胃酸による殺菌作用
 腸…腸内フローラルによる殺菌作用
の、「3重構造の殺菌作用」があり、
ボツリヌス菌は胃酸にて殺菌されるので腸にて活動して毒素を生成する事が出来ません。

好アルカリ性で酸性に弱いボツリヌス菌は胃酸を無事くぐり抜けるのはほぼ不可能なのです。
それでも万が一、ボツリヌス菌が腸まで到達出来たとしても
人間の腸内フローラル(常在菌群)が強力に殺菌してしまい毒素を生成するに至らないのです。

上記にもかかわらず、数年程前に産まれて間もない赤ちゃんがハチミツを与えられボツリヌス菌の毒素により亡くなる痛ましい事故が日本国内で発生しています。

それは、産まれて間もない赤ちゃんには胃に「胃酸」が十分無く
更に腸内のフローラルが生後直ぐには備わって居ないので、ボツリヌス菌が腸内で活動してしまい毒素を生成してしまったのです。
産まれて直ぐの赤ちゃんには「3重構造の殺菌作用」のうち「口の唾液」しか十分に機能しておらず、「胃酸」、「腸内フローラル」が機能していないのです。
一般に「産まれてから半年」もすれば内臓機能が大人と同様になり胃酸も溜まり腸内フローラルも親から十分な受け渡しを得るのですが、
成長の個人差を考慮されて母子手帳には「1歳未満の乳児にはハチミツを与えてはいけない」とされているのです。

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