ニホンミツバチ保護飼育 佐々木 伸一

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2020.11.25 オオスズメバチ 004番

2020.11.25 オオスズメバチ 004番

続きです。

まずは、今現在の住人の安全の回復です。
現場の状況として、道路側住宅の二階天井裏に、おそらくキイロスズメバチの大きな巣があるはずです。
早朝、オオスズメバチが集団でこのキイロスズメバチの巣に襲撃を仕掛けたようですが、
おそらくは換気口の隙間が小さくてオオスズメバチが天井裏に入るのに手間取り、
そこをキイロスズメバチに反撃されて次々と殺され、撃退されてしまったようです。
一部のオオスズメバチは換気口で深傷を負ったまま空中戦に入り、何匹も殺されて付近に落下したようです。
大量のオオスズメバチの攻撃フェロモンが周辺に充満してるのは長く空中戦が行われた結果だと思います。
それは文字通り「攻撃フェロモン」なので、これが充満し濃度の高い場所はオオスズメバチが攻撃的となり危険です。
この攻撃フェロモンがプンプンする中、オオスズメバチが低空に来てる原因である「落下してるオオスズメバチとキイロスズメバチの死骸」を全て回収します。
このオオスズメバチとキイロスズメバチの死骸はオオスズメバチ達の「確保した獲物」となります。(山に獲物がいないのでオオスズメバチにとって貴重な獲物なのです)
なので、死骸のたくさん落ちてる駐車場は、オオスズメバチが死骸という獲物を守ろうとして通りがかる人間を威嚇し、必要と判断したなら襲撃してきます。
オオスズメバチが駐車場の住人を襲うのにはそんな理由があるのです。
駐車場には常に数匹のオオスズメバチがパトロールして警戒し、時折別のオオスズメバチが落下している死骸を少しずつ回収して行ってます。
普段、自分からオオスズメバチに立ち回りを仕掛ける事はあまりありませんが、今回は遠慮なく仕掛けます。

自分は右利きなので、
自分の左側に生け垣や車などの壁を置き、右半分に集中しやすくしてオオスズメバチと対峙します。

オオスズメバチは基本的に急降下や急上昇での襲撃はしません。
戦闘飛行中に無理に急上昇や急降下すると、体が重いので空気の流れから剥がれて落下してしまうようなのです。
しかし、野生動物なので絶対では無いのが恐ろしい所です。あらゆる動きに備えるのは基本です。

ので、水平方向に神経を集め気味とし、
しかし集中しすぎてはダメで、常に見ている方向以外の方向も同時に把握しておくのが重要です(正直自分は上空方向の把握がいつも苦手で気配や感覚に助けられた経験が何度もありました)。
それらをふまえながら、駐車場付近をパトロールしてる何匹かのオオスズメバチを手早く処理します。
これで交代のパトロール要員のオオスズメバチが来るか、回収のオオスズメバチが来るまで暫く大丈夫です。

この間に落下してるオオスズメバチとキイロスズメバチの死骸を一つ一つ回収していきます。
このしゃがんで拾ってる時がけっこう危険で、
耳と気配で警戒しながら作業する(目は手元の蜂の死骸で、注意して扱わないとスズメバチは死骸でも毒針を出して刺される事があります)のですが、

中には勘の良いオオスズメバチもいて空中の遠くからこちらを発見して羽音を消して接近して来る手練れもいて、
運が悪いと気配も消して来るオオスズメバチもいるので油断なりません。

この場合、羽音消したり気配消して接近してきても大抵何があった?と先に偵察するので、いきなりの攻撃はあまりないですが、
偵察の後、事態を把握したオオスズメバチは必要と判断したら威嚇や攻撃をして来る事もあります。
ただ、この時余程スキを見せてない限り襲撃されはしないです。
偵察オオスズメバチがこちらを見てる独特な視線の感じは、品定めされてるようで本当に嫌な感じで、
当然こちらもにらみ返したり迎撃の準備行動をとるので、ほとんどの場合偵察はそのまま距離を取っていき去って行きます。
以降は次回に続きます。

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