初春のまだ肌寒さを感じる事の多い3月4月、
他の種の昆虫などが活動開始初期か、
まだ活動を開始してない、競争相手が少ない今の時期のチャンスを逃さぬよう、
多少の雨や風程度ならニホンミツバチ外勤蜂がたくましく花の蜜を求めて飛び立つものですが、
冷たい雨降り等であまりに寒い時は、どの巣箱もニホンミツバチ達は引きこもってしまいます。
胸の筋肉で発熱し、外気温度変化にある程度対応する能力を持つニホンミツバチ働き蜂なのですが、
春先のニホンミツバチ働き蜂達を観察してると、やっぱり昆虫で変温動物なんだなと再認識しますね。
ニホンミツバチは里山などで観察すると、
ニホンミツバチ働き蜂が1人では、
いつも他の蜂に追われ追い払われる最弱な様子が時折、
というか、普通によく見かけられます。
追われるだけでなく、
ひとまわり体の大きいセイヨウミツバチにタックルされ囓られ(かじられ)殺される事もあります。
他にも
クマバチ、
マルハナバチ、
ヒゲナガハナバチなど
強くて大きい「花蜂(草食種で花粉や花の蜜が主食)」は田舎には沢山いて競争相手なのです。
ニホンミツバチは体が小さく柔らかくてとても弱く
平地の花畑などの効率の良い「良い餌場(えさば)」は強い蜂たちに襲われるので、
ニホンミツバチは山林や雑木林などの障害物の多い地形を「主な餌場」としています。
山林や雑木林等の障害物の多い場所は、
小柄で小回りのきくニホンミツバチには有利な環境で、
より大柄なクマバチ、マルハナバチ、セイヨウミツバチに襲われ死傷するリスクを減らせると考えられます。
自分のいる山陰地方の山林は地形がかなり厳しく、
切り立った崖のような山ばかりでニホンミツバチを追って観察するにはロッククライミング技術が必要な位です。
何度か山の作業路の獣道や廃集落などに分け入ってニホンミツバチの観察をした事がありますが、
人の住んでいない山奥は色々危険でした。
さて、山の中にも意外に蜜源は多いようで、
ツタのような植物の砂粒のように小さな花などにもニホンミツバチ達は訪花しているようです。
山奥に入らなくてもニホンミツバチ達の訪花を観察する事はできます。
ミカンの木の花など、流蜜が多くニホンミツバチ達が大好きな花には、
多くはありませんがニホンミツバチもいる事があります。
忙しなく動き、ミカンの木の花の大半を占拠しているセイヨウミツバチ達を警戒し逃げながら仕事してるニホンミツバチの姿を見てると、
野生の生き物の世界は弱肉強食なんだと実感しますね。
弱いから数が多い。
日本蜜蜂は海の世界の魚に例えると「イワシ」の群れのようですね。
ともにそれぞれの生態系において重要な、生態系リングの基礎を成す生物種なのではないでしょうか
日本蜜蜂の末永い繁栄を願います。
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