今回はニホンミツバチの分蜂群や野生群の誘引捕獲に使用するアレコレを解説します。
ニホンミツバチ分蜂群捕獲の為の待ち箱の入居率を向上させるのに最も一般的なのがキンリョウヘン(画像はキンリョウヘンです)という東洋ランの花です。
キンリョウヘンは東南アジア原産といわれ、
江戸時代には既に日本に持ち込まれ、便所(トイレ)の手水(手洗い)に置く花にされていたとの資料もありました。
このキンリョウヘンが開花すると放たれるフェロモンのうち、
その複数種類が「ニホンミツバチ女王蜂が分蜂の時に分泌するフェロモン」と同じ組成のものがあるらしく、
これにより近在の分蜂中のニホンミツバチ達が引き寄せられるものと考えられています。
つまり、キンリョウヘンは「待ち箱の場所やその他の諸条件」とは別の原理で強力にニホンミツバチ分蜂群を招き寄せる切り札なのです。
キンリョウヘンの他にも同様の効果のあるランがあり、
「デボニアナム」や「ミスマフェット」というキンリョウヘンとデボニアナムの交配種もあります。
ニホンミツバチ待ち箱にキンリョウヘンを使用してもニホンミツバチ偵察蜂さえ来ない場合は、
付近にニホンミツバチ分蜂群そのものが居ない事も可能性として考えるのが賢明と思います。
場合によってはニホンミツバチ待ち箱の場所をニホンミツバチ分蜂群が居そうな場所の近くに移動させると入居の可能性がでてくる事もありそうです。
さて、キンリョウヘンの他にも待ち箱に「蜜蝋」を塗ったり、
ニホンミツバチの巣房の煮汁を待ち箱に塗ったりするとニホンミツバチの偵察蜂が嗅ぎ付けて来やすくなります。
自分はやった事はありませんが、古くからニホンミツバチを飼育されてる方が蜂蜜を希釈して霧吹きで待ち箱の中にかけたりしてるのを見たことがあります。
ハチミツは確かにミツバチを呼ぶ効果はありますが、
アリ等の招かれざる虫達をも引き寄せてしまい(アリは蜂の天敵です)、
酷いときにはクマの関心をかったりしてしまうので避けるべきと思います。
他にも、
一度使用したニホンミツバチ飼育の胴箱や
ゴウラ、
蜂どう、
蜂桶など、
要するに一度飼育に使用した以前ニホンミツバチが営巣していた巣箱を待ち箱に使うとよいと昔から言われています。
自分も以前は色々試してみましたが、
結局キンリョウヘンが一番効果があるとの結論にいきついてます。
ニホンミツバチ分蜂群の活発な期間は桜が開花してから梅雨までの間と言われています。
ニホンミツバチがより多く分蜂し、
より多く生息し繁栄し、
より豊かな山林、里山の自然環境を支えてくれる事を願います。
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